さて、またまた愛すべきクソ映画、キングスパイダーのインプレです。
配給元、アルバトロスフィルムよりストーリー解説・・・
くも、クモ、蜘蛛!!
体長30メートルの巨大蜘蛛がハリウッド来襲!
チャイニーズ・シアターが、ハリウッド・ボウルが、
そして傲慢なハリウッドの住人たちが・・・
地上の覇者キングスパイダーの餌食となる!!
これはハリウッド映画に対する挑戦状なのか!?
アルバトロス・コアから禁断のスパイダームービー、禁断なのに堂々のリリース!!
米軍機密を扱うフットヒル兵器実験センター。上等兵が誤って実験ケースを落としてしまい、生物兵器が逃げ出してしまう。その生物兵器とは、遺伝子操作で生み出された殺人蜘蛛だった!その殺人蜘蛛は瞬く間に大繁殖。センター内はもちろん、ハリウッド大通りを我が物顔で大行進!チャイニーズ・シアターが、ハリウッド・ボウルがそして傲慢なハリウッドの住人たちが殺人蜘蛛の餌食となっていく。米軍は部隊を送り込み事態の収拾を試みたが、殺人蜘蛛の前ではなす術もなく犠牲者が増えるばかり。そして米軍は「スパイダー大作戦」に突入。装甲車やヘリを出動させ、ついには小型原爆でハリウッドごと殺人蜘蛛を一掃しようと図った。しかしその時、地面が突如として割れ、とてつもなく巨大な蜘蛛「キングスパイダー」がその姿を現した!!
ってなかんじです。
というか、アホ映画でとっても好感が持てます。
これは一般人にオススメできる、ギリギリの映画(?)でしょう。
※以下ネタばれあり!ご注意!!
ちなみに上記の解説にある30メートルの巨大クモは、前半40分しか出てきません!
隊員たちの操る装甲車は、くだらないところでムダに手が掛かっているラジコンです。
一目で分かります。
うーん、 そ れ が い い 。
ラジコン装甲車より、背景の街並みのジオラマの方が手が掛かってます。
装甲車のコックピット、
あれ ど う い う ガ ラ ク タ 集 め て 作 っ た ん で す か (笑)?
たぶん操縦桿は、自転車のサドル?なんかプラスチックのゴミなどをかき集めて作ったみたいです!
うーん、 そ こ が い い 。
そして、装甲車のコックピット内、ヘリコプターのコックピット内と使いまわしてるだろ!おい(笑)!!
隊員たちのセリフに、
「ここ(ハリウッド)で射撃すると民間人が大勢死にますよ」
「いいよ、どうせ ハ リ ウ ッ ド だし」
とか、
有名なHOLLYWOODの看板を巨大クモごと木っ端微塵にしたとき、
「ざまぁみろ!ヒャハハ!!」
など、随所にハリウッドをバカにするシーンがあります。ハリウッド映画をバカにする、という意味も含んでいるのでしょうが、アメ公たちは、ハリウッド俳優を好まない傾向があるみたいですね(日本で言う、口先ばかりの悪徳政治家のようなイメージらしい)。
笑ったのは、巨大クモがハリウッドにある巨大ビルに卵を産んでいるとき。
装甲車が大砲で狙いをつける。
隊員「ここで撃ったらビルにいる民間人が死にます」
上官「いっそ死んだ方が楽だろう」
・・・え?どう見ても逃げる時間がありそうなのに、なんて早急な判断!さすが上官ですね。
ビルは粉々になります。
あと、大砲うちまくって各地で火災が発生している様子ですが、
あれ 近 所 の 火 事 の 映 像 じ ゃ な い ?
へんな映像差し込むなっちゅうの(笑)!
しかも何度も使いまわしすぎ!!
それにしてもこの映画、
死 体 に は 妙 に 手 が か か っ て ま す 。
ちょっとショボめの特殊メイクとか、クモの毒にやられて被害者が顔の皮をかきむしり、骨が見えるシーンとか、変なところで凝ってます。
この手のC級映画の監督さんは、死体を撮るのが大好きなんですね!!
でも飛び出した目玉とか、ショットガンで頭が吹っ飛ぶところ、腕が吹っ飛ぶところは、人形丸出しで、また面白い。
前半は巨大クモと隊員の戦い、後半はハリウッドにあるスタジオに閉じこもった若者に襲い来る小クモたちとの戦い、という一粒で二度おいしい贅沢な脚本です。
銃やナイフ、花火を手にしてクモと戦う若者たち・・・
緊 張 感 ね ぇ ~ ・ ・ ・
ナイフを手にした女の子、本当に弱々しくナイフを床に投げるだけ。
わさわさとでてくるクモたち、
な ん か 愛 ら し い ・ ・ ・
でも小クモのボスらしきヤツは、人間みたいな目玉でキモイ。
あいかわらず死体だけは、妙に凝ってる!
さて、最後まで楽しめました。バカ映画としては70点くらいです。
が、ちょっと感じたこと。
この映画を作ってる人たち、
実は 「 バ カ 」 を 狙 っ て 作 っ て る ぞ 、 と い う 姿 勢
がちょっと前面に出すぎ、だと思いました。
この製作者たちは、明らかにカネは持っている。
ショボイセット、小道具のように見えても、随所で細かいところに凝っている。
凝れるだけのカネはあるんですね。
このブログでもインプレしている
アーストルーパーズのように、「ほんとにこいつら制作費ねーんだろーなぁ・・・」という悲壮感が漂いまくり、金も無いのになんとかセットをガラクタでごまかしたり、それらしく見せようとするつまらない努力。
そんな「ちきしょう、どーせカネがねーなら力技だぜ!」という決死の覚悟がちょっと見えないのが残念。
あと、バカ映画に重要なこと。それは、
客を笑わそう、じゃなく、
彼らは必死にマジでカッコイイと思ってる映画を作ってるんだけど、ちょっとそのパワーが他方面に向いてしまっていて、その結果
笑 わ れ て し ま う 作品
これだと個人的に思います。
バカ映画の定義なんてないので、「だからどうした」と言われればそれまでですが。
でも、キングスパイダー、普通に面白いんで、バカ映画の上級者、入門者ともにオススメ!
樹海堂副管理人
樹海堂URL