樹海堂副管理人的 「ランボー 最後の戦場」
2008年 05月 27日
改めてシルベスター=スタローン様と同じ時代を生きていてよかった。
そう思わせる渾身の一作。
劇場で泣いたのは久しぶりでした。
※以下ネタばれあり、注意※
この映画は、主人公ランボーを自分自身と置き換えて見るのが妥当です。
自分はランボーのように筋肉質なのか?
自分はランボーのように戦闘能力があるのか?
いやいや、違います。そういう意味ではありません。
心意気です。
現代社会を生きるための気合いと覚悟を見習わなくてはならないのです。
ジョン=ランボーは、哀しい戦士です。
第1作目では、必死で祖国のためにベトナム戦争を戦いながらも、いざ祖国に帰ったら
「人殺し」などと蔑まれ、ホームレス同様の生活を余儀なくされ、逮捕され、虐待された。
そう・・・何かと被りませんか?
自 分 で す 。
サラリーマンである自分と被りませんか(ちなみに私はしがないサラリーマンです)?
会社のために必死に働き、会社のためを思って提案し、他の社員のためを思って発言しても
事なかれ主義の上司、同僚、むしろそういう行動をする人を
「調子に乗っている、うるさい、生意気だ。会社にとって危険分子だ」
などと蔑み、やる気を失せさせる疲弊した現代社会。
「何も言わずじっとしていることが賢い生き方」
と思いがちな時、ガツンと響くランボーのセリフ。
「ムダに生きるか、何かのために死ぬか・・・お前が決めろ!!!」
ちなみにこのセリフ、ランボー演じるスタローン自身の人生の哲学を表した言葉と言えます。
大学を中退してオーディションを受けまくるが落選。唯一「ブルックリンの青春」に出演でき、そのギャラを手にハリウッドへ。チャンスに恵まれず、下っ端の毎日を過ごす。
その後は貧乏ボクサーが世界チャンピオンに挑むという、まさに自分自身の人生を投影しているようなシナリオ「ロッキー」が映画化され、あとはスターダムに・・・
そういう人生を歩んだスタローン。
上記のセリフは、泥をすするような苦しい下積みを味わっているスタローンの人生哲学なんでしょう。
どこかの州知事のように世渡り上手な生き方ができず、不器用なんだけれども愛される存在。それがスタローンなんです。
ジョン=ランボーもそう。ロッキー=バルボアもそう。
おしゃべりでもなく器用じゃなくて、あまり社交的でもなくて無愛想なんだけど、決めたことに関しては直球勝負。
何が何でも直球勝負。
こだわりの職人みたいなものです。
そして・・・弱い。心が弱く、自分が折れてしまった時に涙を見せるところも、人間らしいです。
こんなところが、みんな好きなんです。
スタローン自身もこんな性格だから、このような主人公が生まれるのでしょう。
この映画は、出演者も覚悟を決めています。
あるミャンマー人出演者は、ミャンマーの反乱軍元兵士で、ミャンマー軍事政権側の悪役を演じたため刑務所に入れられたり、迫害や虐待を覚悟で出演しているのです。
少しでもミャンマーで行われている虐待を世間に知らしめることができたら・・・という理由で。
ここまでの覚悟、我々日本人ではまず無理でしょう。
でもそんな彼らの姿を見て、ミャンマーの現実を少しでも知る事とともに、彼らの「覚悟」や「決意」を見習うことができます。
会社で何があろうとも、それに立ち向かう心。
そんな戦う決意と勇気を、この映画からは存分にいただきました。
逆に考えると、
「どーせ何も変わんねーんだから、一生懸命やったって無駄無駄。つーか、そーゆー熱いヤツ、バカだし見ててサムいよな、ハハハ」
と考える思考回路の人は、絶対この映画を見るべきではないでしょう。
むしろ社会にいらないでしょう。すぐに退社、もしくは退学を希望します。
他の頑張っている人間の足を引っ張っていますし、邪魔ですね。
虐待シーンや、見せしめに生首が吊るされてるシーンだけを見て、安易に「これは有害映画だ」と叫ばないでほしい。
スタローンが戦車砲ぶっ放してるシーンだけを見て、「これはただの脚本の練られていないアクション映画だ」と言わないでほしい。
そこにはキャストたちの「覚悟」と「決意」が込められているのだから。
そしてそんなキャスト達を率いて1本の映画にまとめ上げたスタローンは、やっぱり
偉 大 。
である。
会社の不条理に苦しむサラリーマン達よ。この映画を見て奮い立て!!
そして己の力で会社を変えてみせよ!!!!
無駄に生きるか、何かのために死ぬか・・・
お 前 が 決 め ろ ! ! ! !
樹海堂副管理人
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