映画「ディセント」
2007年 04月 04日
・ストーリー
年に一度の冒険旅行で、アパラチア山脈奥地の巨大洞窟を訪れた6人の女たち。スリリングな洞窟探検を楽しむ中、突然の落盤で出口をふさがれた一行は、迷路のような洞窟内で別の出口を探してさまよう羽目になる。言い争いから仲間割れが生じ、ヘッドランプの電力も残りわずかとなった矢先、暗闇から地底人が襲いかかってくる。
とまあ、こんな感じです。結論から言いますと、非常におもしろいです!
以下ネタばれあり、注意!!
地底人と言っても、マーズアタックのようなおふざけ宇宙人風ではなく、CGなしで凝って作りこんである人型タイプのモンスターです。多分メイクに何時間も掛けているでしょうね。
四足で這いつくばりすばやく動き回る姿はとても不気味です。
地底人が生きたままの人間を食うシーンがあるのですが、アメリカのホラー映画のように行き過ぎた演出のグロシーンがなく、淡々と撮影されているのが逆に怖い。
劇中に音楽はほとんどなし。ほぼ無音です。
そしてたまに入るデン・・・デン・・・デン・・・という不気味な音楽。
む、これは・・・おそらく音響担当の方は、「遊星からの物体X」を参考にしたのではないでしょうか。音演出の仕方、雰囲気が似ています。
劇中ほぼ無音、聞こえるのは足音と水の滴る音、洞窟を歩く足跡、そして地底人の雄たけび・・・。
恐怖感が倍増されて、非常によいですね。
地底人は目が退化していて、音のみで主人公たちを追ってくるのもヒヤヒヤ。息を潜めてじっと動かない彼女らの目の前をキモい息遣いで探し回る地底人にはドキドキします。
青木ヶ原樹海にも多くの洞窟がありますが、この中で探検中にこの映画のようなことが起こったら・・・と思うと恐ろしいですね。
久々に精神的にクる映画でした。ただ残念なのは、主人公たちが「強い」こと。例えピッケルを武器にしていたとしても、あのような化け物相手に善戦しすぎ。
ブレア・ウィッチ・プロジェクトのように、主人公たちはあくまで非力で、化け物に見つかったら終わり、くらいの緊張感が欲しかったです。
「なんだ、意外と強いじゃん。もし見つかってもピッケルでブっ倒せばいいじゃん」と少しでも思わせたらダメですね。
狭く暗い出口の分からない閉鎖的な洞窟内で未知の怪物に追いかけられる恐怖というのを、もう少し突き詰めてほしかったです。
ラストは個人的には好きです。最後まで絶望ですね。
ああ、こんな感じの雰囲気で青木ヶ原樹海を舞台にしたパニックホラー映画出来ないかなぁ・・・。
樹海堂副管理人
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